赤い目

 クリスマスが終わり、街が一夜にしてお正月の雰囲気になりました。毎年のことながら、変化の速さに驚かされます。

 さて、「Complex Beads」(日本文芸社,静哉・著)、p.58に掲載されている、「空」を製作しました。
 
画像

 見ての通り、一つ目の球体に、足と羽が生えたような形状をしています。一見複雑ですが。花編みのビーズボールの一部を開け、中に入れた12mmのビーズや義眼を目のように見せる構造をしています。
 本に掲載されている作品は、中にドールアイや黒い天然石を入れていますが、ここでは赤いパールビーズをいれました。白目のない赤い目となったためか、掲載作品よりも妖怪っぽい雰囲気となりました。白目のない目は、妖怪や宇宙人のような人外っぽい雰囲気になることがありますね。
 
 白目のない目というと、いわゆるお世話人形のぽぽちゃんを思い出します。どうも、あの黒目だけの目が好きになれません。
 私が子供のころ、よく小さな女の子が抱えているようなお世話人形というものに、全く興味がありませんでした。ぬいぐるみや、母が作った布製の人形では遊んでいたのですが、市販のお世話人形をほしいと思うことはありませんでした。何かの折に伯母がプレゼントしてはくれたのですが、幼い私は見向きもせず、棚でほこりをかぶっていました。
 大人になってから、トイザらスで幼児向けの人形を見て、なんとなく理由がわかりました。どう見ても、かわいいと思えないのです。そもそも私は人形が好きで、リカちゃんのような着せ替え人形や、日本人形、ビスクドール、球体間接人形、カントリードール、ウォルドルフ人形はなどは美しい、かわいいと思います。でも、なぜかお世話人形は美しいともかわいいと思えないのです。
 中でもぽぽちゃんという人形が、かわいくないを通り越して、気味が悪いと思ってしまいました。ぽぽちゃんをかわいがっている方には申し訳ないのですが、私には、リアルさとデフォルメされた幼児性が中途半端に混在した造形と、子供向けの量産品ゆえのどこか粗い作り、アルカイックな笑みに固定されたまま動かない表情が、人形にも人間にもなり切れない異様な雰囲気を醸し出しているように思えます。中でも、黒目がちというよりも黒目だけの目が妙にうつろな感じで、表情の気味悪さを増していました。
 よく、市松人形が気味が悪いといわれます。でも、市松人形には僅かばかりですが白目がありますし、造形に丁寧さと完成度の高さを感じます。それ故に、私には市松人形は気味が悪くとも美しい人形と感じられます。でも、ぽぽちゃんにはそれがありません。ただ、不気味なのです。
 話が元に戻りますが、幼少時代の私はお世話人形に興味を示さなかったものの、市松人形や日本人形はそれなりに好きでした。年を食ってしまった今でも、同様です。どうも、当時の感覚を大人になった今でも持ち合わせているようです。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック